あるドイツ人による近代印刷技術の発明

近代的な印刷技術は、今から550年以上前に、ドイツ人のグーテンベルクにより開発されました。1397年生まれのこの人は、金属に文字を浮き彫りにする方法など、金属加工について若いころに多くを学びました。その後、優秀な金属細工人となったグーテンベルクは、金属を鋳造して活字を作れば文書を大量に生産できることを思いつきます。金属の活字は、木製の活字に比べてはるかに摩耗しにくく、長寿命だからです。

試行錯誤の結果、彼はついに可動活字を用いた活版印刷機を完成させます。グーテンベルクが最初の印刷対象に選んだのは、ラテン語訳の聖書(バイブル)でした。1455年、彼は自分の印刷機により、約180冊の聖書を生産します。それは2巻1セットで、1巻が1282ページから成る書籍でした。

当時は、聖書にせよ他の文書にせよ、頒布が必要とされるものは写本という方法で作られていました。つまり、手で書き写すという方法です。手書きの写本には、間違えて書き写してしまわないよう細心の注意が必要で、多くの手間や時間や気疲れが伴う作業でした。それで、一人の人が1日に作成できるのはわずか数ページでした。

しかし、グーテンベルクのこの発明により、同一の書面を短時間で大量生産することが可能となりました。彼が最初の印刷を行った聖書という書物は、今でも様々な言語で生産されており、一部分しか翻訳されていない聖書も含めると、全世界でおよそ50億冊が流布されていると推定されます。これは世界で最も多い頒布数です。

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